光あるうち光の中を歩め
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本書の舞台は古代ローマ、生活上の不満足は何もない主人公と、哲学に秀で、原始キリスト教を学んだ幼馴染の二人が交差しながら物語は進んでいきます。
原始キリスト教の生活は常に仲間を思いやる崇高な理念を掲げているものの、私有財産の否定など現代の日本では実践が不可能に近いです。
しかしながら、ビジネスに成功し、美しい女性と婚約し、考えうる成功は一通り果たしたものの、どこか満たされず空回りしている主人公の姿は現代の日本人にも重なるところが多く、いくつか心に突き刺さる言葉もあります。
生き方に悩む人にとって、何らかのヒントを与えてくれるはずです。
最後にタイトルについて
「光あるうち、光の中を歩め」は新約聖書のヨハネによる福音書に登場する表現です。
イエスは、また人々に語ってこう言われた、「わたしは世の光である。わたしに従って来る者は、やみのうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」。
イエスは答えられた、「一日は一二時間あるではないか。昼間歩けば、人はつまずくことはない。この世の光を見ているからである。しかし、夜歩けば、つまずく。その人のうちに光がないからである」。
そこでイエスは彼らに言われた、「もうしばらくの間、光はあなたがたと一緒にここにある。光があるうちに歩いて、闇に追いつかれないようにしなさい。。やみの中を歩く者は、自分がどこへ行くのかわかっていない。光のある間に、光のことなるために、光を信じなさい」。