意識はいつ生まれるのかーー脳の謎に挑む統合情報理論
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本書では「意識」について取り扱っています
意識研究といえば従来は哲学的な思弁によるしかなく、とても科学的とは言いがたいものでした
しかしながら近年脳が(特に皮質において)ニューロンの集合体を基本単位とする構造を取っていることが解明され始め、簡単かつ似通った部品から以下に高次の機能が生まれるのか、議論されています。
簡単な部品からなっているのであれば、どこに機能を生み出す源泉があるのか
それが、ネットワーク理論へとつながります
本書ではネットワークの状態と意識の状態を対応させることで意識の状態を数学的に表現することを目標にしていて、その情報量として「Φ」を定義しており
また、ネットワークの結合性に関しては、0,1で決めつけるのではなく、強弱で表現していることから、意識が「あるない」ではなく「どれだけの強度か」という斬新な視点を提供しているのが本書の特徴です。
近年稀に見る神経科学、情報科学の発展で、意識研究、人間とは何かといった問いかけがますます重要になっています。興味のある方は是非。